「海外生活とSTD対策」
U コンドームが出来るまで!!
オカモト株式会社
 オカモト株式会社の茨城工場では、年間約350万グロス(約5億個)のコンドームが製造されています。
 これは、1日当りにすると約140万個だからオカモト株式会社の商品だけでも世界中で毎夜(いつでも、どこかの国は夜である)280万人?もの人が使用していることになります。とにかく、大変な量が茨城工場から世界中に出荷されています。
 では、この茨城工場でどのようにしてコンドームが作られているかをご説明しましょう。



写真1 ラテックス採取
ゴムの木から主原料の天然ゴムラテックスを採取

 コンドームは天然ゴムラテックス(ゴムの木から採取する牛乳様の白い樹液、ゴムの細かい粒子が水の中に分散している)を主原料として作ります。(写真1 ラテックス採取)
 この天然ゴムラテックスは遠く南方マレーシアから、ドラム缶に詰められ輸入します。到着すると直ちに10項目以上にも及ぶ厳しい品質検査を実施し、それに合格したラテックスだけを使用します。また、その他の薬品や材料についても日本を初めアメリカ、フランス、ニュージーランド等世界各国からコンドーム製造に最も適したものを調達します。
 製造工程の初めは、原料液の調合です。ラテックスにゴムの弾力性を増す薬品や老化を防ぐ薬品等10種類程のゴム薬が配合され、温度管理された反応缶で化学反応させ、コンドームの原料液を作ります。(写真2 混合缶)


写真2 混合缶
たくさんの検査項目をひとつひとつ丁寧に確認していきます。

ここでも、原料液の出来ばえについて、いくつもの検査項目を設定し、品質を確認しています。
 ここからコンドーム成形に入ります。この検査に合格した原料液の中にコンドームの形をした硬質ガラスの型をゆっくり漬け、それを引き上げ、その型をグルグル回転させながら、型の表面に付着した原料液を均整な厚さにし、乾燥させます。
 さらに、これを原料液にもう1回漬け、乾燥させることによってピンホールのない、薄くて均質なゴム膜を型の表面に作ります。(写真3 ガラス型浸漬)薄くて均質なゴム膜を成形するにはガラス型表面の高度な洗浄はもちろんのこと、原料液の温度や型の浸漬スピード、浸漬室の温度・湿度等の条件を適切に管理することが必要です。この管理を厳重に行い1個たりとも不良品を作らないという心構えで作業を続けています。



写真3 ガラス型浸漬
薄く均質なゴム膜にします。

 次は、ガラス型の表面にできたゴム膜の縁を回転ロールにて少しだけ巻上げ、口巻(コンドームの縁についている輪ゴム状のもの)を作ります。(写真4 口巻加工)ここまでくると、いつも見る?コンドームの形ができあがります。



写真4 口巻加工
コンドームの縁を加工します。

 コンドーム表面にあるデザインは、ガラス型の表面に彫られた凹凸がゴム膜に移り、ゴムの表面にできた凹凸がデザインになります。
 ガラス型に密着したゴム膜は、離型(型から剥がす)することが困難なことから膨潤水に漬けて、たっぷりとふやかした後に、ノズルから飛び出す水圧により型から剥ぎ取ります。ここでは、全長110mにもおよぶコンベアにガラス型を取付け、

型の洗浄→原料液浸漬(1)→乾燥→原料液浸漬(2)
→乾燥→口巻成形→膨潤→剥離

と移動させながらコンドームを作っていきます。
 次に剥ぎ取られたコンドームを集めて脱水し、スラリー(粉泥液)を加えて加硫装置に導入し、熱を加えて加硫反応させることで柔らかく丈夫な弾性ゴムが生まれます。
 (なんと1個のコンドームの中に30リットルもの空気が入るんです。)
 ここから、コンドームの品質を確認するため、厳重な検査を行います。全数検査、抜取検査、破壊検査、非破壊検査等様々な検査方式が組み合わされ不良品は必ず取り除き、不良品は次工程へ流しません。このことを肝に銘じた検査員の厳しい目が光っています。
 さらに、1個1個のコンドームは全て、ピンホールがないか?を電気導通方式により検査します。1個1個のコンドームはコンドームと同じ形状をした金型に被せられ、その金型を電解液の中に漬けます。コンドームの内側の金型を+電極とし電解液中の電極との間に電圧をかけます。完全なゴム膜は電気を通さないという性質を利用して、電気が通らなかったコンドームをピンホールのない良品とし、導通したコンドームを不良品として選び出します。(写真5 コンドーム装着)その良品は巻上げられ、次工程へ。



写真5 コンドームの装着
良品と確認されたコンドームは巻き上げられます。

 次工程へ送る前にまだまだ品質検査があります。1個1個を検査したからといってそれを直ぐ合格としている訳ではありません。良品となったコンドームのロットから、コンドームを抜き取り、試験を実施し、本当にそのコンドームのロットが合格にしてよい品質レベルなのかどうかを確認します。ピンホールをもらしてないか?については、コンドームの内・外に1%の食塩水を入れ、それぞれに電極を入れ電気導通により確認する電気試験と、(写真6 電気式ピンホール試験機)コンドーム内に水を満たし、吸水紙の上を転がし水が漏れていないか確認する水漏れ試験(写真7 水漏れ試験機)の2方式で、また、使用中に破れないか?については、コンドーム内に空気を入れつづけ、破裂するまでの空気の量と破裂した時のコンドーム内の圧力を測定する破裂試験(写真8 破裂試験機)で確認します。



写真6 電気ピンホール試験機
電気導通により確認する電気試験を実施します。




写真7 水漏れ試験機
吸水紙の上を転がして確認




写真8 破裂試験機
コンドームに空気をいれ確認

 合格するとやっと次工程へ移動できます。そこで1個1個のコンドームに潤滑剤が注入され、1個1個が別々にフィルムでシール包装されます。全てのコンドームに規定量の潤滑剤が注入されているか?コンドームが1個1個シール包装されているか?光学的センサーや画像処理装置により、監視します。(写真9 シール包装機)このシール包装品を箱に詰め、製造番号、使用期限が捺印されたら完成品です。(写真10 箱詰め)



写真9 シール包装機
ひとつひとつのコンドームに潤滑剤が中に注入され、シールを包装されます。




写真10 箱詰め
シールに包装されたものを箱に詰め、完成!

 ここで最終的な品質検査を実施します。出荷する国々(日本を含む米国・ヨーロッパ等)の製品規格に従った品質項目を全て満足しているコンドームであることを試験・検査で確認した上で合格品だけに責任者が出荷の許可を出します。
 こうした、我々のコンドーム作りの真面目で厳しい姿勢が世界中のお客様のご支持を受けているものと確信しております。また、厳しい工程管理、品質管理の励行の証として、世界的に有名な検査会社であるドイツのTUV CERT(トゥフサート)より品質管理のISO規格(ISO 9002)に適合している工場として、またヨーロッパの医療用具に関する製造者の義務(MDD)に適合した工場として、1998年に認証書をいただいております。さらに1987年以降、定期的にUS FDA(米国 食品医薬品局)の品質システム監査を受け、その厳しい監査にも合格してきました。(認証書、監査証明書)


(c) Copyright :1996- Japan Overseas Medical Fund. All rights reserved.