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ニュースレター(機関紙)

JOMF派遣医師便り(2012.01)
NL12010101
シンガポール、フィリピン、インドネシア、医療事情 / / / / / / / / / / /



◆シンガポール

シンガポール日本人会クリニック
日暮 浩実

◇肺年齢(2) ~慢性閉塞生肺疾患~

先月、肺年齢という言葉が、禁煙の指導に役立てるために作られた言葉で、慢性閉塞性肺疾患(Chronic obstructive lung disease, COPD)にかかっているかどうかを知る指標であるという事をお話しました。今回はその続きです。

シンガポールでは慢性閉塞性肺疾患にかかっている方は6万人と推計されています。先月も記しましたように日本では500万人ぐらい(人口の約4%)いらっしゃいます。シンガポールの居住人口が約510万人(国民及び永住権保持者380万人)ですから居住人口の1%強ということで日本に比べたら3分の1以下という低い割合です。

患者さんの割合が低いひとつの理由にはまだ人口の老齢化がそれほど進んでいないことが上げられるでしょう。シンガポールの老年人口(65歳以上の人口の全人口に対する割合)は9%(2010年)で(ちなみに日本は22.7%(2009年))、これは日本の1980年ごろに当たる数値です。

また別の理由として、もともと喫煙率が低かったこととも関係があるように思います。1980年のシンガポールの喫煙率は20%程度でしたが、同時期の日本は60%を越える高い喫煙率でした。

喫煙の規制(註1)はここ4-5年でさらに厳しくなって来ているのですが煙草の消費量は一向に減らないようです。年間の煙草消費量は2005年には20億7千万本でしたが、2009年には24億4千万本に増えてしまいました。(2007年の日本では100倍の約2500億本だそうです。)そして、喫煙率の低下も下げ止まりと若年層の喫煙率の増加がみられています。2004年から2007年までの3年間で、18-69歳の喫煙率は12.6%から13.6%へ微増し、特に18歳から29歳までの年齢層をみると男性の喫煙率が18.2%から25.4%へ、女性の場合は6.6%から9.1%へ上昇しています。将来COPDが増加する可能性をはらんでいます。
 
2004年COPD Association Singapore という団体が組織され、COPDについての研究活動、情報公開や検査、煙草の影響、肺機能検査の必要性について説いております。医療関係者だけでなく、実際にCOPDにかかっている患者さんやそのマネージメントに興味のある方も会員になれます。
将来COPDになってしまう方を少しでも減らせたらよいように思います。

◇註1:2007年7月,2009年10月の記事をご参照ください

2007年7月
http://www.jomf.or.jp/include/disp_text.php?type=n100&file=2007070101
2009年10月
http://www.jomf.or.jp/include/disp_text.php?type=n100&file=2009100101



◆マニラ

マニラ日本人会診療所
菊地 宏久

◇偽薬と偽医者
 
偽薬や偽医者は途上国ではよく話題になるニュースの一つです。。
“マニラにおける偽薬”について2011年10月に東京で開催されたJOMF海外邦人医療基金の海外医療情報交換会で以下の内容を報告しました。
“「今まで1錠約40ぺソで購入していた薬を1錠2ペソで売っている薬局を見つけた。その薬を購入したが全く効いていない」という患者さんの訴えから判断し偽薬を疑った“、という報告です。
 
この事実を裏付けするニュースが2011年11月23日のManila Timesに掲載されていました。”Beware of fake drugs, eye doctors”という見出しの記事です。記事内容は次のようなものです。
「Food and Drug Administrationによれば1998年以来24種類の偽薬が法的に罰せられた。消費者側も以前に購入した本物のパッケージと比較して、変色や字形、消費期限、ロットナンバーなどに注意するようにしてほしい」というもので注意喚起もされています。

値段が通常のものに比べて異常に安い時、薬の効果がこれまでと比べて突然変化した場合(効かなくなった、逆に悪化した)などは患者さん自身の病態変化の可能性とともに薬剤そのものについても疑問を持つことが必要です。
 
また同記事には薬だけでなく偽医師についても次のように述べられています。
「Professional Regulation Commissionによれば fake eye doctors(眼科関連の偽医者)に対する多数の情報がフィリピン全土で急増している」。
患者さんは一人一人の担当医の免許を確認することは現実的には不可能です。さらに「免許を持っていること」が「適正な医療をしている」とも限りません。
 
他院で加療されている患者さんも含め、処方された薬剤や治療方法などで御心配があれば、お気軽にご相談ください。どうぞお大事にしてください。



◆ジャカルタ

ジャカルタ・ジャパンクラブ医療相談室
原 稔  

◇HbA1c

糖尿病の診断および治療上の指標として、血糖値と共にHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)という値を用います。血糖値は採血した時点での血液中のグルコースの濃度です。HbA1cは、過去1~2カ月の血糖値の平均を反映します。これらの値が高くなると、糖尿病と診断されます。

このHbA1cの値は、日本で検査するとインドネシアでの値よりも約0.4低くでます。例えば、インドネシアでHbA1c 6.5%の人は、日本で検査するとHbA1c 6.1%になります。これは、日本とインドネシアでの測定方法の違いが原因です。

日本は独自のHbA1c(JSD値:Japan Diabetes Society値)を使っています。これに対し、他の多くの国は、別の方法で測定されたHbA1c(NGSP値:National Glycohemoglobin Standardization Program値)を採用しており、インドネシアもNGSP値を用いています。

これでは混乱してしまいます。日本糖尿病学会では、JSD値に0.4を加えた値を国際標準値(NGSP値に相当)とし、医療機関等での表記を、JSD値から国際標準値に変更しようとしています。(まだ変更されていません。)
健康診断等の際はご留意ください。

因みに、HbA1c(JSD値)≧6.1つまりHbA1c(国際標準値)≧6.5だと糖尿病型と判断され、血糖値の結果などと合わせて、糖尿病の診断がなされます。
また、糖尿病治療中の血糖値コントロールでは、HbA1c(JSD値)<6.5つまりHbA1c(国際標準値)<6.9ならば、「良」と判断されます。

JSD値と国際標準値の換算式を示します。
HbA1c(国際標準値)=HbA1c(JSD値)+0.4%
 
 
本年も宜しくお願いいたします。


(以上)