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ニュースレター(機関紙)

JOMF派遣医師便り(2012.03)
NL12030101
シンガポール、フィリピン、インドネシア、医療事情 / / / / / / / / / / /



◆シンガポール

シンガポール日本人会クリニック
日暮 浩実

◇手足口病(Hand mouth and foot disease, HFMD)流行中

シンガポールでは手足口病が流行しています。

患者さんのほとんどは小児ですが、年初から第8週(2/19-25)までの累計の患者さんの数は4449 人となり、これは過去5年間のこの時期までの累計(2056人)と比べ、2倍以上となっています。今年第8週(2/19-25)では1週間あたりの発生数が993人と年初来最も多くなり、さらに勢いは増していると考えられます(図をご参照ください)。

シンガポールの過去5年間の年間の平均の手足口病の発生数は20003人となっています。過去5年では2008年(年間発生数29686名)、2010年(年間発生数30878名)に大きな流行がありました。このときは週当たりの患者さんの発生数が1400人以上となったことがあります。まだ、この数字には達していませんが警戒は必要です。

手足口病はかかっても多くは軽症ですみますので心配しすぎる必要はありませんが、中には重症になる例もあります。1997年から1998年にかけて、マレーシアで34例、台湾で78例、日本でも3例の死亡例が見られました。2000年から2001年にかけてはシンガポールでも7名の死亡例が記録されています。死亡例の原因は、ウイルスによる脳炎などが考えられています。

原因ウイルスには、コクサッキーウイルス、エコーウイルス、エンテロウイルス71(EV71)など複数あるため、一度かかったことがあっても、再びかかる可能性があります。

予防と治療
予防に関しては残念ながらワクチンはありません。うがい、手洗い、特に患者さんの排便後の手洗いを徹底させる、おむつの取り扱いに注意するなどの対策が大事です。また、咳やくしゃみの時はティシュなどで鼻や口をおさえること、食器を共有しない、換気をよくする、人ごみを避けるなども大切です。治療に関しても特効薬はなく、発熱や脱水などに対する対症療法となります。

受診と再診
発症が疑われたら、まずは早めに医療施設に行きましょう。高熱が2日以上続いて、頭痛、嘔吐、元気がないなどの症状を伴う場合は脳炎なども疑われますので、早めに再診してください。その他、様子がおかしいと思われたら早めに医療機関で御相談ください。

図:週当たりの患者さんの発生数 (縦軸:人数、 横軸:(週))
(3月5日現在)




◆マニラ

マニラ日本人会診療所
菊地 宏久

◇2012年4月より、日本のHbA1c値は「国際標準表記」に変わります
   ――マニラ日本人会診療所と同じ表記(物差し)になります!


今回は糖尿病の重要な検査項目HbA1c(ヘモグロビン・エイワンシー)についての話です。
2012年1月号のJOMFニュースレターでジャカルタに派遣されている原先生から、日本独自のHbA1cと世界標準として使用されているHbA1cに0.4の差があることについての話がありました。;
 
日本でのHbA1c検査値(%)=世界標準HbA1c検査値(%) - 0.4(%)


つまり、日本での測定値は世界標準値での測定値よりも0.4低い値になっています。マニラ日本人会診療所では“世界標準値”を用いていますので日本で測定された値よりも少し高い値になっていました。
この差により世界中に派遣されている駐在員やご家族、そして各国医師の間でも少し混乱がありました。
 
しかし日本でも2012年4月1日以降、日本の日常診療や人間ドックで糖尿病の重要な検査項目になっているHbA1cが国際標準表記に変更されることになりました。日本では健診会場や病院内のポスターをご覧になった方々も多いと思います。
日本もこの国際標準値を使用することにより、患者さんの国際的移動に混乱なく対応したり、学術調査報告などを世界共通の土俵で容易に行うことが可能になります。
 
日本で行う検査においては2012年4月から1年間はこれまでの日本基準値と新しい世界標準値の併記を行う方向のようです。また患者さんが支払う検査費用はこれまでと同額とのことです。さらに詳しい内容は、日本糖尿病学会から患者さん向けポスターの準備や配布を予定していますのでご覧ください。
日本糖尿病学会ホームページは、 URL:http://www.ids.or.jp/ です。

付録:

糖尿病の合併症には腎障害、網膜障害、神経障害、心筋梗塞・狭心症、脳血管障害などがあります。糖尿病治療の目的はこれら合併症の予防及び悪化抑制です。糖尿病の診断基準や治療目標もその観点から作成されています。

血糖値は食事の前後や運動前後で値が大きく変動します。しかしHbA1cは食事の前後でも値の変化がありません。
HbA1cは採血から過去1~2か月間の血糖値の平均を反映する検査値です。特徴として
1)食事の影響を受けないので空腹時でなくとも随時検査可能です。
2)HbA1cの値が高い人は1-2月間にわたって血糖値の高い状態が続いていたものと考えられます。
3)ある1日だけの暴飲暴食でその日の血糖値が上がったとしてもHbA1cには大きな変化はなく、数日間の間に突然高い値には変動しません。
4) 普段血糖の高い人が採血前の1-2日だけ食事を節制して血糖値を下げてもHbA1cは突然改善をしません。
5)様々な研究でHbA1cと多くの合併症との関係が分かっているので、糖尿病の診断や治療にとって大変重要な検査となっています。
6)糖尿病と診断するときにはHbA1c(国際標準値)が6.5%以上(日本基準では6.1%以上)であるかどうかが重要な目安になります。また糖尿病治療において国際標準値ではHbA1c6.2未満(日本基準では5.8未満)を維持することが“血糖コントロール指標は「優」”とされています。この範囲内にあることが合併症進展・悪化を予防する理想の値となっています。
7)国際基準HbA1c7.4以上(日本基準7.0以上)は「不良」となっています。


患者さんは国際標準値HbA1c6.2%を目標に食事・運動療法にも心がけましょう。
どうぞお大事にしてください。



◆ジャカルタ

ジャカルタ・ジャパンクラブ医療相談室
原 稔  

◇移転します

4月以降、JJC医療相談室が引っ越すことになりました。
20年以上の長きにわたり、Medikalokaにて医療相談室をご利用いただいた皆様、また、運営にご協力いただいた皆様、長い間ありがとうございました。この場をお借りして御礼申し上げます。なお、移転先につきましては、現在JJCが契約締結の方向で交渉中の段階であり、正式決定前に公表することは差し控えますが、次回のNEWS LETTER発行時にはお知らせできると思います。

私個人に関しましては、2012年3月までの駐在予定でしたが、上記移転に伴い、駐在を延長することになりました。引き続き宜しくお願いいたします。
 
 
(以上)