予防接種について
1.定期接種と任意接種
日本での予防接種には、法律で全ての国民に実施される定期接種と必要に応じて接種可能な任意接種とがあります。
- 定期接種:
- 法律で規定されている予防接種
(規定の年齢の範囲であれば費用は自治体負担。
定期接種のワクチンでも規定の年齢をはずれると任意接種の扱いとなります。) - 任意接種:
- 必要に応じて接種可能な予防接種
(費用は個人負担)
2.日本での予防接種の種類とスケジュール
日本で受けられる予防接種の種類と接種のスケジュールを一覧表にしました。
(下記をクリックしてください)
3.日本で受けられない予防接種
外国では接種可能でも日本では接種できない予防接種もあります。
その代表的なものとしては次のようなものがあります。
- MMR(麻疹、おたふくかぜ、風疹の混合ワクチン)
- インフルエンザb菌
- 腸チフス
- 髄膜炎菌性髄膜炎
- ダニ脳炎
- ロタウィルス
4.海外渡航で必要な予防接種
海外渡航で必要な予防接種については、当ホームページの「Q&A のコーナー」に記載してありますのでご参照ください。
5.予防接種関連の用語と解説
A.ワクチンについて
ワクチンとは:
予防接種に用いられる薬液で人間または家畜に投与して免疫を作らせ、細菌やウィルスの感染を防ぐもの。
ワクチンはその病気と同じ病原菌の力を弱めて作られます。
ワクチンを予め接種すれば、体内にその病気に対する抗体が出来て、病気の発生を阻止することができます。
(但し、その病気に絶対にかからないという訳ではありません。)
ワクチンの種類:
- 生ワクチン(病原性を減じた病原体そのものを用いる)
- 不活化ワクチン(死滅した病原体を用いる)
- トキソイド(毒素の毒性を失わせて免疫原性のみを残したもの)
B.免疫について
- 免疫:
- 自分の体の正常な成分と外部から体の中に入ってきた物質を区別して、有害なものを体から排除する働きのこと
- 免疫系:
- 体の中で免疫を担当する仕組みのこと(免疫機構)
免疫系の働き:
大きく分けて次の2つの働きがあります。
- 液性免疫:
- B細胞が担当する抗体による異物排除機構体の中に抗原が入ると、まずマクロファージがこれをのみ込み、リンパ球のT細胞にその情報を伝えます。
T細胞はその情報に基づいてB細胞に抗体をどんどん作らせます。 - 細胞性免疫:
- マクロファージやキラーT細胞などの免疫担当細胞が担当する免疫機構で、異物を直接あるいは抗体を介して攻撃・排除します。
血液中の細胞の種類と免疫担当細胞:
血液の血球成分は、赤血球、白血球、血小板で構成されています。
このうち免疫機構を担当する細胞は白血球が中心となります。
白血球は、単球(マクロファージ)、リンパ球、顆粒球で構成されています。
リンパ球は、T細胞、B細胞に分けられ、更にT細胞は、ヘルパーT細胞、サプレッサーT細胞、キラーT細胞とに分類されます。
この中で、抗体を作るのはリンパ球の中のB細胞です。
C.抗原と抗体について
- 抗体:
- 病原菌などが侵入してきた時、その病原菌と結合して抵抗を示し、体内から排除しようとする物質(免疫グロブリンというタンパク質)
- 抗原:
- 免疫系が認識して反応を引き起こす物質(抗体を作る因子となる)
通常、抗原となるのは、細菌やウィルスなどの病原体や人為的な注射などで体内に入るタンパク質などです。(抗原は抗体やリンパ球によって体外に除去されることになります。)
抗体は抗原と結びつくと主に次の3つの働きをします。
- 抗原の働きを失わせる。
(毒物に結合して毒性を失わせる。ウィルスに結合してその感染性を失わせる。) - 補体(細菌を破壊するタンパク質)を活性化させる。
- 貪食細胞(免疫担当細胞の一種)に食べられやすい形にする。
6.(参考)途上国での滞在者が感染症にかかる頻度
WHOの調査による、途上国での滞在者が感染症にかかる頻度です。
7.(参考)ワクチン選択の基準
ステフェン教授によるワクチン選択の基準表です。
頻度及び重症度が高いものほど予防接種の必要性があるということになりますが、勿論地域性もありますので、滞在地において必要とされる予防接種をしておくことが肝要です。










