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2.顎口虫 Gnastoma spp.
【事例】
三重県在住の55歳男性。農作業中に小川でドジョウ1匹を捕らえ生食した。約2週間後、腹部に発赤と 硬結が出現し、これが徐々に移動することに気付いた。皮膚科にて病変を切りとってみたところ、日本顎口虫の幼虫が検出された。 (臨床寄生虫誌1巻p135,138,141から)【感染リスク】
日本顎口虫の成虫はイタチの腸内に寄生する。外界に排出された虫卵は孵化して、最終的にドジョウの筋肉内で感染期幼虫に発 育した後、休眠状態となってイタチに食べられるのを待っている。これを生で食べることによってヒトにも感染する。なお顎口虫に は以下のような種が知られている。| (1)有棘顎口虫 | : | 日本、中国、東南アジアに分布する。固有宿主は、ネコ、イヌ。人体への感染経路としては、ライギョのサシミが重要である。 |
| (2)日本顎口虫 | : | 日本の在来種。固有宿主はイタチ。ドジョウから感染する。 |
| (3)アドロレス顎口虫 | : | 日本の在来種。固有宿主はイノシシ。川魚から感染する。 |
| (4)剛棘顎口虫 | : | 中国や台湾に分布する。固有宿主はブタ。ドジョウから感染する。 |
【症状と診断】
ヒトに感染した場合、顎口虫は発育できず、幼虫のまま皮下を移動する。主な症状は移動性の皮下種瘤である。 この幼虫は分裂も産卵もすることなく、約10年後に死滅する。

図30 顎口虫による腹部の皮疹
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