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ホーム > 海外医療情報 > 海外医療(機関紙) > 寄生虫ミニ辞典-《目次》 > 付録.寄生虫の地域分布と感染経路

付録.寄生虫の地域分布と感染経路

1.ヒトとの接触あるいはヒトの便から感染するもの
2.動物との接触あるいは動物の便から感染するもの
3.動物や魚の肉を食べることで感染する寄生虫
4.生野菜を食べたり不衛生な水を飲んで感染する寄生虫
5.吸血昆虫に刺されて感染する寄生虫
6.土壌や水中にいて皮膚から侵入してくる寄生虫

以下の分布表で、(+)は流行地、 ±は僅かに分布あるいは詳細不明、-は非流行地を意味する。

1.ヒトとの接触あるいはヒトの便から感染するもの

寄生虫名感染経路 対策
蟯虫(C3)ヒトとの接触手洗い
疥癬(D)ヒトとの接触
シラミ(D)ヒトとの接触、性行為
赤痢アメーバ(A1) 飲食物汚染、性行為手洗い、飲食物の加熱
ランブル鞭毛虫(A1)飲食物汚染、ヒトとの接触手洗い、飲食物の加熱
クリプトスポリジウム(A1) 飲食物汚染手洗い、飲食物の加熱
イソスポーラ(A1) 飲食物汚染手洗い、飲食物の加熱
いずれも人工密集地域や不衛生地帯で流行する。熱帯地域全域において要注意である。

2.動物との接触あるいは動物の便から感染するもの

寄生虫名 感染経路 対策
大腸バランチジウム(A1)ブタとの接触、飲食物汚染動物に触れない、飲食物の加熱
トキソプラズマ(A3)ネコとの接触、飲食物汚染動物に触れない、飲食物の加熱
包虫(B2)犬や狐との接触、飲食物汚染動物に触れない、飲食物の加熱
小形条虫(B1)ネズミの便による飲食物汚染飲食物の加熱
いずれも牧草地帯や不衛生地域で流行するが、包虫症は熱帯より寒冷地域で流行する。

病名 アジア アフリカ 中南米 北米、欧州 オセアニア
単包虫症(B2) (+) (+) (+) (+) ±
多包虫症(B2) (+) (+)

3.動物や魚の肉を食べることで感染する寄生虫

寄生虫名 感染経路 対策
トキソプラズマ(A3) 豚肉 飲食物の加熱
肉胞子虫(A3) 牛肉、豚肉 飲食物の加熱
有鉤条虫(B1,B2) 豚肉 飲食物の加熱
肺吸虫(B4) 淡水産カニ、豚肉 飲食物の加熱
旋毛虫(C3) 各種の肉食動物 飲食物の加熱
無鉤条虫(B1) 牛肉 飲食物の加熱
マンソン裂頭条虫(B2) カエル、ニワトリ 飲食物の加熱
顎口虫(C4) 雷魚 飲食物の加熱
棘口吸虫(B4) どじょう 飲食物の加熱
肝吸虫(B4) 淡水魚 飲食物の加熱
異形吸虫(B4) 淡水魚 飲食物の加熱
横川吸虫(B4) 淡水魚 飲食物の加熱
広節裂頭条虫(B1) サケ、マス 飲食物の加熱
広東裂頭条虫(C4) カタツムリの類 飲食物の加熱
フィリピン毛頭虫(C3) 淡水魚 飲食物の加熱
いずれも生食の習慣として関連しており、アジアで流行する疾患が多い。

病名 アジア アフリカ 中南米 北米、欧州 オセアニア
肺吸虫(B4)
*ネコ肺吸虫が分布 
 (+)   -   -   *-    -
広東裂頭条虫(C4)
*コスタリカ住血線虫が分布 
 (+)   -    *-    -    -
旋毛虫(C3)
*北海道に分布する 
 *±   -   *-   (+)    -

4.生野菜を食べたり不衛生な水を飲んで感染する寄生虫

寄生虫名 感染経路 対策
蛔虫(C1) 生野菜、生水 飲食物の加熱
鉤虫(C1) 生野菜、生水 飲食物の加熱
鞭虫(C1)生野菜、生水 飲食物の加熱
肝蛭(B4)セリの生食 飲食物の加熱
肥大吸虫(B4)ヒシの実、レンコン 飲食物の加熱
メジナ虫(C2) 生水 飲食物の加熱
蛔虫、鉤虫、鞭虫は熱帯地域に広く分布する。メジナ虫の分布地域は限られている。

病名 アジア アフリカ 中南米 北米、欧州 オセアニア
メジナ虫症(C2)(+)(+)

5.吸血昆虫に刺されて感染する寄生虫

寄生虫名 感染経路 対策
マラリア原虫(A2)ハマダラカ 蚊の対策
ブルショイ・トリパノソーマ(A2)ツェツェバエ蚊の対策
リーシュマニア(A2)サシチョウバエ蚊の対策
糸状虫(C2)各種の蚊、吸血性のハエ蚊の対策
ヒフバエ(D)蚊の対策
クルーズ・トリパノソーマ(A2)サシガメ サシガメに注意
この種の寄生虫分布地域には特徴があり、アフリカと中南米では特に注意が必要である。

病名 アジア アフリカ 中南米 北米、欧州 オセアニア
マラリア(A2-1.2) (+) (+) (+)   ±  (+)
睡眠病(A2-4)  - (+)  -   -   -
シャーガス病(A2-5)  -  - (+)   -   -
皮膚リーシュマニア症(A2-6) (+) (+) (+)  (+)   -
皮膚粘膜リーシュマニア症(A2-6)  -  - (+)   -   -
内臓リーシュマニア症(A2-6) (+) (+) (+)  (+)   -
バンクロフト糸状虫症(C2) (+) (+) (+)   -  (+)
マレー糸状虫症(C2) (+)  -  -   -   -
回旋糸状虫症(C2)  - (+) (+)   -   -
ヒフバエ症(D)  -  - (+)   -   -

6.土壌や水中にいて皮膚から侵入してくる寄生虫

寄生虫名 感染経路 対策
住血吸虫(B3)淡水での水遊び 流行地の川では水浴びを避ける
糞線虫(C1)裸足裸足で歩かない
鉤虫(C1)裸足 裸足で歩かない
スナノミ(D)裸足 裸足で歩かない
頻度上多いのは糞線虫症で、これは熱帯地域全域で要注意である。
症状が重篤であるという点で、住血吸虫症が最も重要である。これは比較的限られた地域に流行する。

病名 アジア アフリカ 中南米 北米、欧州 オセアニア
日本住血吸虫症(B3) (+)  -  -   -   -
マンソン住血吸虫症(B3)  - (+) (+)   -   -
ビルハルツ住血球虫症(B3)  - (+)   -    -   -
スナノミ症(D) (+) (+) (+)   -   -



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