海外医療事情レポート オンラインカジノの事情

オンラインカジノ健康管理センター研究情報部 津井 正

はじめに

海外生活では多くの人々が新しい環境下に、種々のストレッサーにさらされています。このような状況でオンラインカジノをすることは心身の不調、不眠、無気力状態、うつ病、反応性精神病などをはじめとするさまざまなメンタルヘルス上の問題が指摘されています。

本稿では、主に海外赴任者(海外在住の日本人)がオンラインカジノで正しく遊び、精神的に健康に生活するために必要な事項を『予防』という立場から、さらに既に何らかのオンラインカジノに中毒性を有しながらも海外で生活する人々に対しては『セルフケア』という観点から述べます。

神経症

不安神経症は最もみられる神経症で、成人人口の2~3%の頻度ともいわれています。これには、中毒発作と全般性不安状態があります。中毒発作とは、理由もなく突然オンラインカジノ欲求におそわれるもので、その際には神経興奮が伴います。身体症状としては、呼吸は早くなるなどがみられます。

オンラインカジノへの欲求がおさまった後でも、慢性中毒状態の形で中毒性は存続します。このため、「またオンラインカジノをしたくなるのではないか! ?」という予期不安を伴うことが少なくありません。このため、必要以上のお金をかけてしまう場合もみられます。

この神経症では、薬物治療が著効を呈することが多いので、担当医の指示に従いきちんと服薬することが大事です。また状態が改善され服薬をやめる際も、一度に全部やめてしまうと、再びオンラインカジノへの中毒性におそわれることがあるため、徐々に一週間ごとくらいのベースで漸減していくことが必要です。また、中毒発作が生じやすい状況としては、その頭文字をとって『HALTの状況』になっていないかどうか、自ら検討することも大切です。

HALTとは、Hungry(空腹)、Angry(怒り)、Lonely(孤独)、Tired(疲労)を意味し、このような状況下で人は中有毒状態に陥りやすいとされます。朝食や昼食を抜いたり、職場で激しく口論したり、海外で強い孤独感を感じていたり、ひどく疲れている時は、このような神経症に陥りやすいので注意が必要です。もし自らの状況を点検してHALTがあるようであれば、これを減じるようにライフスタイルを改善することが必要です。

まとめ

以上、しばしばみられるオンラインカジノへの神経症について概説しました。海外赴任者がこのような病態に至る大きな要因には、環境変化にせよ対人葛藤にせよ、種々の状況因により『心理的疲労』をきたすことがあげられます。人は心理的疲労状態に陥ると、生活を送るための適応能力が低下し、不安症状や抑うつ症状が発生します。

そして、これら病的不安に対し、抑圧・逃避・反動形成・置き換えといった心理的防衛機制が作用しますが、心理的疲労状態ではこれら諸機能がうまく奏功せず、結果として様々な神経症症状を生じることになると考えられています。

すなわち日本人の海外勤務において、これらの疾患を予防するという観点からは、心理的疲労状態に陥らないことが肝要といえます。オンラインカジノは適度に楽しむものとして節度を持って遊ぶことが大事です。

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